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麻生で逮捕:「転び公妨」というより「当たり屋公安のだまし討ち逮捕」について

2008
11-03
ここんとこリアリティツアーの件ばかりになっていますが。



さて、ほんとうに人は十人十色、同じ動画を見ても主催者側の言い分は成立しないとする向きもある。「麻生邸見学ツアー、無届デモで逮捕」についての考察(詩人ミスラの、FF11放浪日記 かも試練)というウェッブログ記事は、
  • 一人目の逮捕者は「看板」(引用者註:プラカード)をもって大きな声を出し、公安条例違反で逮捕された
  • 条例違反での逮捕を妨害しようとした残り二人が公務執行妨害で逮捕された
  • 「公妨だ!」と叫んでいる人物は、一人目の逮捕者に対していっているのではない
との論理展開のもとに、以下のように結論づけている。
一人目に対し「公務執行妨害で逮捕するとは不当」「転び公妨だ」という主張は成立しないだろう。
また主催者側が都合よく動画を編集している可能性も想定して、「動画が始まる前に、再三注意を受けている可能性だってある」とする。まあ、記録動画の全尺を見ないと判断できないという気持ちは分からんでもない。しかしそもそも主催者側が逮捕を受けて結成した救援会の声明では、「一人目」が公妨で逮捕されたとは一言も言っておらず、「3名の逮捕理由は公安条例(注)違反や公務執行妨害となっています」と報告している(麻生でてこい!!リアリティツアー救援会 不当逮捕弾劾声明)。

くわえて、主催者側が公開している動画だけを見ても、少なくとも制服警官(警備課)が集団歩行中に警告を出していたとは思えない状況が描出されている。「10/26 渋谷、逮捕前に打ち合わせするデカ」の動画では、制服警官の「信号守れ信号~」(0:39あたり)という注意の後に、ツアー参加者が制服といっしょに信号待ちしている様子が記録されている。なお、このとき、進行方向の逆側にいた私服警官(公安警察官)は歩道からはみ出て車道上にたまっている(同0:46あたり)。うーむ私服には道交法は適用されないのか。

リアリティツアー、赤信号で一旦停止 信号待ち
車道にはみでたままの公安警察官たち 我が物顔に車道にふくらむ私服

この信号待ちの時点で、逮捕「一人目」のプラカードを掲げている人は、そのカード掲示によって警告を受けたわけではない。また青信号に変わって歩き出した直後に、そのプラカードの人は麻生邸に向かう旨をアピールしているものの、肉声であったため、そこでも制服警官の警告・制止を受けていない(ツアー主催者は制服の要請通り、拡声器使用を自粛し、横断幕も広げず、巨大風船の浮遊高度も下げている)。一部マスコミでは「再三の警告」があったかのように報道したが、どう見てもそのような状況は存在しない。信号待ちとなる以前の時間帯では、プラカードの人はカードを携行しているだけでアピールしていないことも動画には記録されている。そもそも「再三の警告」を受けていれば、わざわざ逮捕を招くような行為を続けるメリットは主催者にはなく、警告にしたがう対応をとっていただろう。事実、弾圧の直後、それ以上の危険を回避するため主催者はツアーを中止している。

しかし実際には、私服警官による介入・逮捕指揮が青信号となって歩き出した直後に引き起こされているのだ。私服が意図的に狙い撃ちにしたとしか解釈しようがない。「10/26 麻生邸宅見学に向かおうとしたら逮捕」の動画を見る限りでは、「一人目」(プラカードの人)が逮捕されるときには私服が「よし!」「やるぞ!」(いったい何をやるの……)と号令を繰り返すばかりで具体的な警告を事前に行わず、どのような被疑事実によって身柄を拘束するのかも一切告示していない。つまり、プラカードの人が「公安条例違反」の「無届け」現行状態を導出していたとするなら、警察は何がどう公安条例のいう行動にあたるのかを明らかにして適法状態に戻るよう働きかけるべきだが、そうした手続きは一切取られていない。

逮捕時に「公妨だ!」と繰り返していた「ゆでだこデカ」(by救援会)と、「警告を誰かに、あれ……させいなとですね……」(動画「10/26 渋谷、逮捕前に打ち合わせするデカ」の0:18あたり)と逮捕前に相談していたベージュ色のキャップをかぶった私服警官に注目すると、むしろ結局は警告も何もせずにとりあえず逮捕してしまえと私服が動いたことが分かる。「警告させないと」と発言していたのはどこへやら、結局「キャップデカ」は警告抜きで「行っちゃうね」と「ゆでだこデカ」に耳打ち(同1:00あたり)した直後、プラカードの人の身体をつかまえにスッと“静かな突入”をしている(動画「10/26 麻生邸宅見学に向かおうとしたら逮捕」の0:20あたり)。混乱を引き出して弾圧するための鉄砲玉の役割だ。

逮捕を相談する警察官 キャップデカ&ゆでだこデカ
キャップデカ しかけるキャップデカ

「公安条例違反(無届け)だ」の一言も、いったいなにが条例違反に相当するのかもいわない。これが適法な逮捕手続きといえるのか。そもそもツアーは、都の公安条例が規定する「道路その他公共の場所で集会若しくは集団行進を行おうとするとき、又は場所のいかんを問わず集団示威運動を行おうとするとき」(第一条)の対象に相当するのか。これが実は相当しないのである。

確かにツアー参加者は警察発表で40人、主催者発表で50人となっていて、集団ではある。しかし行動参加者は渋谷署警備課との打ち合わせどおり、車道ではなく歩道上をおとなしく歩行していたのだから、公安条例の第一条の規定に相当しない。また歩道全部を占拠していないので道交法違反でもない。制服の渋谷署警備課が集団移動そのものを制止していないことからして、彼らがツアーを「集会」「集団行進」「集団示威運動」にあたらないと解釈していたとことは明白だ。

動画「渋谷署警察官との事前打ち合わせ@ハチ公前」によれば、ツアーに出る前の主催者と警備課の警察官のやりとりは以下の通りである。(リ:リアリティツアーの人/警:警視庁渋谷警察署・警備課課長)
リ「麻生さん家に行こうというね…」
警「それだけであれば別に」
リ「それならいいでしょ」
警(うなずいて)「ただ大きな声で騒いだり、いつものように音をガンガンガンガン…まぁまぁ持ってきていないんだろうけども」(と周囲を指さす)
リ「あぁ、サウンドデモみたいにね」
警「うんうん、そういうことだね」
リ「サウンドシステムは今回ない」
警「だから行くっていったら、今日は、デモ届けも出していないから、車道は行けないから」
リ「いや車道なんか行かないですよ、危ないもんね」
警「だから歩道だよな。歩道で行くぶんにはいいです」
リ「うん」
(以後、麻生邸付近での「5~6人」規制の話が続く)
このやりとりを見れば、渋谷署の警備課長はこの「歩道」について、都公安条例がいう「集会若しくは集団行進」への規制の前提となる「道路」と解釈していないことが分かる。「集団行進」あるいは「集団示威運動」などは「車道」で行われるもの、との通念が頭にあるのだろう。声や音に関しても、通常のデモや「サウンドデモ」クラスの大きさを規制対象として想定していることがやりとりから判断できる。つまり「公安条例違反」は私服のフレームアップ(でっち上げ)で、リアリティツアーは公安条例が規制対象として規定する「集会」「集団行進」「集団示威運動」などを構成していなかったのである。これが「ただ歩いていた」主張の所以たるところだ。

東京では実際のところ、歩道上の集団移動やある種の行動は、公安条例に依拠した警察の取締りの対象とはなっていない。国会前の情宣活動や座り込みといった歩道上の行動を知っている人もいるだろう。音響機器を装備した車両を使用する以外のそれらの行動は、公安条例ばかりか道交法の規制も受けないという現実があるのだ(もちろん歩道の通行の妨げにならないように監視はされている)。当然のことではあるが、無届けで街宣車両を車道路肩につけて使用するなり、歩道を全部ふさいでしまうなりの状況が現出されない限りは、それは「集会」「集団行進」「集団示威運動」、あるいは「道交法違反」とはみなされないのである。条例の「合憲解釈」のために警察の側もそうしてきた慣行があるわけだ。

公安条例は、集会や表現の自由という憲法的価値を阻害する内容をもっているため、憲法がいう自由をみだりに損なわないように限定的に解釈(「合憲限定解釈」)すべきであることは言を俟たない。しかし表現の自由の制限は萎縮の効果が高いことが法学上も危惧され、また公安条例の条文が実際に曖昧なため(たとえば「集会」「集団行進」「集団示威運動」の違いとは何か、条例制定時と異なってモータリゼイションが進展したこんにちにおける「道路」とは何か etc.)、「明確性原則」により条例じたいが無効(=違憲)かもしれない可能性だって検討されるところだ。地方裁レベルで条例に対する違憲判断が各地で出されてきたことをふまえれば、これはいまだに解決されていない問題と考えるべきなのである。

さて、「キャップデカ」が警告もなくプラカードの人の身体に手をかけた直後に、「ゆでだこデカ」ら他の公安警察官が「よし!」「やるぞ!」と声をあげ、ツアー参加者や制服警官らがあわてふためいて動いたことをいいことに、「公妨だぞ!」との威嚇を繰り返しいてる。そしてツアー参加者を守ろうと動いたようにも見える人々を、「公務執行妨害の現行犯」として逮捕していったというわけだ。これは明らかに警官の「職権濫用」(刑法第194条)だ。警察の違法行為に対する防衛行為であれば、それは正当防衛となるからである。それをコーボーだゾ!って喚き散らしてもねえ。マスコミはこの件についても「警官を暴行した」などと報道したが、独自の映像ソースは持たずに警察発表をたれ流しただけというていたらく。もちろん主催側の動画で確認できるのは警官の非道ばかりである。ツアー参加者をスッ転がしたりしてたの、警察じゃん。
このとき僕もどつかれ、道路に突き飛ばされ、カメラを壊されそうになりました。
夜、寝る前に裸になって気がつきましたが、このときの騒動で僕も右肘から軽く出血してました。
繰り返すが、「合憲解釈」上の公安条例に準じても、リアリティツアーは規制対象となる「集会」「集団行進」「集団示威運動」ではない。そもそも何が規制対象となるべき行動なのか判然としない条文を掲げているのが、これら治安維持法としての公安条例である(条例の性格については「公安条例は治安弾圧法令」を参照されたい)。だからこそツアー移動前の打ち合わせが主催者と警備課との間で行われたわけだろう。警備課の制服警官が、「大きな声で騒いだり」「いつものように音をガンガンガンガン(と出したり)」というような範囲の「デモ」でなければ歩道を歩くことを認めておいて、後になって私服が当たり屋的に目についた人物をいきなり検束し、現場に混乱が起きると「公妨だ!」と波状的に介入して、制服を指図して複数の人間を逮捕していく。一言でいえば、だまし討ちでしょ。「転び公妨」というか「当たり公妨」だ。「公妨」が「一人目」(プラカードの人)にそぐわないとするなら、「当たり屋公安のだまし討ち逮捕」でもよい。いずれにしても野蛮な違法逮捕だ。

あと、最初に俎上にあげた引用元のログでは、ツアー主催者の構成団体であるフリーター労組が麻生首相に事前に団交申入れを行っていて、「ただ歩くだけ」というのとは違うじゃないかと苦言を呈している。いや~麻生邸へと歩くところまでは「ただ歩くだけ」だよね。政治的あるいは社会的な主張をもった寄り歩きを特別に取り締らなければいけないというのは、自己の生がもつ政治性への無自覚さを表白するだけのことだ。「ノンポリ」もまた一つの政治性の選択であるということを人は知らねばならない。さて、麻生邸近くに到着してその後どうするつもりだったかは知らんけど、逮捕の事態は、公安条例のいう行進ではないという意味で「ただ歩いている途中」にしかけられたもの。ログ主氏は「ただ歩くだけ」なら警察も止めようがないとして、「ただ歩くだけ」とは異なる「麻生氏に団体交渉を申し入れるつもりだった」のだから主催者は逮捕の可能性を折り込んだ演出をしたのではないか、とにおわせる書き方をしている。でもね、同労組は団交申入れそのものは事前にすませているし、仮にそれが労組法に保護される団交要求に相当するなら民事・刑事にわたる免責原理が貫徹するはずなのだ(団交当事者がいないのに建造物に突入したりしなければ。このあたりは労組法と判例法理を読み込まないと理解できないかも)。

それからログ主氏は、麻生首相は当日秋葉原に行ってて不在だったため本当に交渉できるわけもなく、どう転んでも運動に(おいしく?)利用できたといいたいようだ。うーん、フリーター労組による事前の団交申入れはちょっと日付が分からないけど、報告記事(「首相は団交に応じろ」)が10月22日付で公開されているから、22日かその少し前でしょ。まあ一週間は時間を見たってこと。おそらく麻生在宅だった場合は、「そろそろ団交に応じるか応じないかの返事くれないか」とF労は要求するつもりだったんじゃないかと。使用者との団体交渉って、申入れから二週間くらいは時間みて「応じるかどうか返事してね」って手続きを進めていくのが常套だから、いきなり交渉に入っていくとは限らない。でもま、麻生首相が在宅で団交に応じていたなら、そこで労組が交渉したって別にいいじゃん。いったいそれで誰が不都合なのかよく分からない。

それはともかく、逮捕されるって事態は小さく貧しい行動主催者にしてみればかなりきついことで、囚われた人たちも大変だけど、外で事後対応に奔走する側も本当に大変。だから「どう転んでも」、つまり被逮捕も運動キャンペーンの計算のうちだった、と解釈するのは違うなと思う。被逮捕の反撃としてアンチ麻生キャンペーンが結果的にできたとしても、それ以上に失うものは大きい。まず第一に被逮捕者の生活と人権。周囲との関係と信頼。主催関係者の体力・精神力。自分の労働を調整して救援に奔走してる人たちはかなり疲弊してるはず。潤沢な会計基盤があって有給専従もおけるような運動体ならまだしも、フリーター労組はボランティアの寄り集まり。労組外のツアー主催のフェスタ実の人たちだって同様、お金持ちで暇なんですて人ばかりとはとうてい考えられない。つかまった三人も「フリーター」。ツアーが無事に終了していたら、それはまあ参加者は「やりました!」って喧伝するだろうけど、それが何、とも思う。

まあ、なんというか、主催側がいっていることもきちんと読んでから判断してもいいんじゃないの。

p.s.
ここまで書いてきて、検索してたら次のリソースに行き当たった。Matimulogというウェッブログの記事「police:麻生太郎に逆らうと、こうやって逮捕される」。記事の動画紹介にも賛同するが、書かれているコメントに注目。「旧司法試験の受験生」というシュウ氏の整理が分かりやすい。私がだらだらと劣化した内容を書く必要もなかった。「社会的に相当であれば無届けデモだってありうる」という趣旨の解説も興味深い。

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