勾留は黙秘のせいではなく、警察の被疑者攻撃の手管によるもの
リアリティツアー弾圧をめぐって、勾留されていたのは黙秘しているからだ、という主張が散見される。それは間違いだ。
公安事件の場合、黙秘していなくてもたいてい勾留がつけられる現実がある。実際、わたしはとある弾圧事件で、被疑者が取調べに応じて黙秘していなかったにもかかわらず、勾留が請求され認容された困難なケースに支援者としてぶちあたったことがある。届け出デモ中、被疑者が機動隊の過剰警備に抗議したところ公務執行妨害で現行犯逮捕されたという事案だった。結果として不起訴ですんだが、不当きわまりないデタラメな調書がとられていたため、被疑者は起訴されれば「有罪」となる可能性もあった。
拷問に近いやり方で被疑者の意図に反した供述調書をあげるのは警察の常套手段であり、その不公正さの横行は驚くにあたらないほど常態化している。これと見込んだ被疑者や「参考人」を何が何でも落とそうとする警察の抜きがたい体質のために、松本サリン事件で犯人扱いされた河野義行氏が被った苦難はよく知られるところである。
そもそも黙秘しているから勾留されるのだ(勾留されてあたりまえだ)という主張は、被疑者の防御権を否定する危うい感情論である。仮に警察なり検察なりが、検挙に絶対的な自信をもっているのなら「氏名不詳」のまま起訴すればよいだけだ。起訴もしないで勾留して被疑者を手元におき、取調べで粘着的に攻撃するのは、公安事件の場合であれば、単に被疑者への転向強要と被疑者以外の情報詐取を目的としているからにすぎない。
黙秘権については、日弁連が『被疑者ノート』の冒頭で次のように述べている。
無制限の取調べ制度下にあって、「黙っていると○○になるぞ」(○○は恫喝のフレーズ)などの警察の「捜査」手法が数多くの冤罪をうんできたことへの懸念から、取調べ制度の改革を目指す弁護士の任意団体であるミランダの会が1995年に結成された。日本の取調べの野蛮さについては、同会の自己紹介「ミランダの会とは」に端的にまとめられているので参照されたい。ミランダの会に集う弁護士の活動に対する警察・検察の本体がまたふるっている。「私どもの弁護活動を「違法」と言って攻撃し、依頼人に向かって弁護人の解任を迫ったりする事例が後を絶ちません」。
公安事件の場合、黙秘していなくてもたいてい勾留がつけられる現実がある。実際、わたしはとある弾圧事件で、被疑者が取調べに応じて黙秘していなかったにもかかわらず、勾留が請求され認容された困難なケースに支援者としてぶちあたったことがある。届け出デモ中、被疑者が機動隊の過剰警備に抗議したところ公務執行妨害で現行犯逮捕されたという事案だった。結果として不起訴ですんだが、不当きわまりないデタラメな調書がとられていたため、被疑者は起訴されれば「有罪」となる可能性もあった。
拷問に近いやり方で被疑者の意図に反した供述調書をあげるのは警察の常套手段であり、その不公正さの横行は驚くにあたらないほど常態化している。これと見込んだ被疑者や「参考人」を何が何でも落とそうとする警察の抜きがたい体質のために、松本サリン事件で犯人扱いされた河野義行氏が被った苦難はよく知られるところである。
そもそも黙秘しているから勾留されるのだ(勾留されてあたりまえだ)という主張は、被疑者の防御権を否定する危うい感情論である。仮に警察なり検察なりが、検挙に絶対的な自信をもっているのなら「氏名不詳」のまま起訴すればよいだけだ。起訴もしないで勾留して被疑者を手元におき、取調べで粘着的に攻撃するのは、公安事件の場合であれば、単に被疑者への転向強要と被疑者以外の情報詐取を目的としているからにすぎない。
黙秘権については、日弁連が『被疑者ノート』の冒頭で次のように述べている。
憲法38条1項は、「何人も自己に不利益な供述を強要されない」と定め、黙秘権を保障しています。また、刑事訴訟法198条2項は、「取調べに際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述する必要がない旨を告げなければならない」と定めています。被疑者は、取調官から供述を迫られたとしても、黙秘権を行使し、供述を拒否することができます。一切の質問に対し、何も答えず、黙っていてもかまわないという権利です。日本では野蛮な代用監獄制度がまかりとおっているので、警察による無制限の取調べが事実上可能であり、現に行われている。何時間でも何日でも、勾留中は幾らでも取調べ可能なのだ。長時間の取調べで繰り返される被疑者への人格攻撃は拷問に等しい。リアリティツアー弾圧被疑者に対してもとうてい許されない精神的拷問が行われた。
黙秘権は、権力が、無実の人からも無理にウソの自白をさせてきたことの反省から生まれたものです。世界のどこでも、近代国家であるかぎり、このような黙秘権が認められることは、当然のことです。黙秘権を行使することは、決して、間違ったことではありません。
無制限の取調べ制度下にあって、「黙っていると○○になるぞ」(○○は恫喝のフレーズ)などの警察の「捜査」手法が数多くの冤罪をうんできたことへの懸念から、取調べ制度の改革を目指す弁護士の任意団体であるミランダの会が1995年に結成された。日本の取調べの野蛮さについては、同会の自己紹介「ミランダの会とは」に端的にまとめられているので参照されたい。ミランダの会に集う弁護士の活動に対する警察・検察の本体がまたふるっている。「私どもの弁護活動を「違法」と言って攻撃し、依頼人に向かって弁護人の解任を迫ったりする事例が後を絶ちません」。
Comment
被害者の人権をないがしろにして、正義を語っているつもりですか?
やっぱり弁護士は悪の味方ですね
やっぱり弁護士は悪の味方ですね
素朴な疑問 [URL] [Edit]
読んですぐに分かることのはずですが、この記事は起訴前段階の被疑者を対象としたもので、個別の「悪」について云々するものではありません。
蛇足ながら付言すると、被疑者は「犯罪者」でも既決囚でもありません。つまり被疑者一般の人権についていうことは、「(犯罪)被害者」の人権をないがしろにすることではありえません。それらはまったくことなる位相のことがらです。
──というようなことの意味が分からないのであれば、刑事司法についての「常識」を学んでから発言してください。
蛇足ながら付言すると、被疑者は「犯罪者」でも既決囚でもありません。つまり被疑者一般の人権についていうことは、「(犯罪)被害者」の人権をないがしろにすることではありえません。それらはまったくことなる位相のことがらです。
──というようなことの意味が分からないのであれば、刑事司法についての「常識」を学んでから発言してください。
素朴な疑問に素朴な疑問を感じる [URL] [Edit]
起訴前の被疑者に平気に嘘をつかせる腐った弁護士がいることを。事実を曲げて嘘をつかす…それって社会正義っていうみたいですね。弁護士業界では。
知ってますよ [URL] [Edit]
この記事がリアリティツアーをうけてのものであることは、あなたもお分かりでしょう。それにもかかわらず、あなたの今回のコメントは最初の見当違いのコメントからさらにアサッテの方向にすっとんでいっていますね。なぜなのでしょう。
いちおうきいておきます。あなたが最初にいった「被害者」とは誰のことですか。なんのために、具体性をかいたままこの記事にコジツケながら「被害者の人権」をもちだして、「正義」について語ったのですか。目的があるはずです。それを直截に語ってほしいと思います。
ところで、かりに弁護士業界に「腐った弁護士」なり、あなたが指弾するような人々がいるとします。だからといって刑事司法の前提をくつがえしたり、司法の枠組みをおびやかすような警察・検察による人権侵害が野放しにされてもよいということにならないのは、自明の理です。だからなぜあなたが徒労のコメントを重ねるのか、それがちょっと気にかかります。
いちおうきいておきます。あなたが最初にいった「被害者」とは誰のことですか。なんのために、具体性をかいたままこの記事にコジツケながら「被害者の人権」をもちだして、「正義」について語ったのですか。目的があるはずです。それを直截に語ってほしいと思います。
ところで、かりに弁護士業界に「腐った弁護士」なり、あなたが指弾するような人々がいるとします。だからといって刑事司法の前提をくつがえしたり、司法の枠組みをおびやかすような警察・検察による人権侵害が野放しにされてもよいということにならないのは、自明の理です。だからなぜあなたが徒労のコメントを重ねるのか、それがちょっと気にかかります。
話をそらさないで [URL] [Edit]



