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金融危機は多極化をもたらすの?

2008
11-17
金融サミットはIMFの財政基盤の強化以外、具体的な取り決めは何もなく次回に持ち越しですね。のたうつ資本主義。金融機関・商品を監視下におくったって、国際条約つくって対応する法制度をそれぞれ整備しなきゃ金融市場は基本野放しのままになると思うのですが、現実はとりあえずスローガンだけはいってみたという。そんな悠長なことでいいのかしら? それとも規制具体化のアジェンダは水面下でつくったということなのかしら?

それからIMFの監視機能とやらの強化。そもそもアジア通貨危機で果たしたIMFの役割を考えれば、「金融自由化」「財政緊縮」を柱とするコンディショナリティの改革ぬきでは意味ないと思うのですが。G20で各国の財政出動をうたっておきながら、IMFのイデオロギーを放置したままでは矛盾してます。それにFSF(金融安定化フォーラム)で基準づくりって、多国間機関をよけいにつくってムダもいいところ。「新興国」も「仲間にしてやる」なら、IMF一本でいいのに。

それと国際的な通貨体制についてもドルもユーロも市場に見放されたままなので、脆弱均衡のままでいくしかないのでしょう。域内決済という局層で多通貨体制に移行する可能性もなきにしもあらずですが、現状のままではUSドル優位は変わらない。だから日本は米国債抱えたままドル支持の奴隷のふり、と。まあ様子見しかできないのは日帝の既定路線なんでしょうけれど、なんというか対米従属が「国益」とすませていられる事態なのでしょうか。

どうせ金不足で金兌換制の復活は現実的に無理だとしても、IMF管理下の帝国主義バスケット通貨つくっちゃうとか、無茶なウルトラわざを繰り出さないのかなーと思ってましたが、のたうつ欧米帝国主義の〈協調と見せかけて実は対立〉体制を無視した妄想がすぎました。

んで結局、制度変革が進まないままそうこうしているうちに米帝デフォルト→新通貨体制移行というアクロバットを打ち出すかもしれませんね(NAFTAお仲間、つまりカナダとメヒコをまきぞえにして)、といったら陰謀論にすぎるでしょうか。でもユーロも「お笑い通貨」化したままで、英ポンドもかなりまずい感じですし、いつ「第二・第三のアイスランド」が出てきてもおかしくない状態ですよ。ちなみにアイスランド国家は「自国民の財産以外は知らなーい」と自己破産状態でごねているので、さすがにIMFからの支援めぐって揉めてます。ここをマネロン基地に使っていたとされるロシア暴力団資本主義では12・13日と株式市場(MICEX取引所)が取引停止・再開を繰り返すジグザグ。すごいぞ金融資本主義。

陰謀論といえば、陰謀愛好家の皆さまにおかれましては、10月1日からの米陸軍部隊(CCMRF)の本土配備を受けて、「すわ、アメリカはすでに金融崩壊→暴動鎮圧対策をはじめた!」と大騒ぎのようですが……

たとえば日本では多極化論者の田中宇さんが代表的で、「国防総省傘下の「アーミータイムス」」が「名目はテロ対策だが、駐留部隊は、敵を殺さずに抑制する技能や、道路封鎖など、米国民が起こすかもしれない暴動を鎮圧するための訓練をする」と報じた、というんですけど、元記事ではそういう書き方にはなってないと思うのですが。唯一、「civil unrest」と出てくるくだりは以下のとおり。

They may be called upon to help with civil unrest and crowd control or to deal with potentially horrific scenarios such as massive poisoning and chaos in response to a chemical, biological, radiological, nuclear or high-yield explosive, or CBRNE, attack.

確かに they は help with civil unrest のためには may be called upon だっていわれていますが、これって CBRNE(のテロ攻撃)事態を受けての unrest だと読んだらヘン? in response が unrest にかかってないなら、まあ確かに unrest の help のためにこの部隊は動きうると読むことになるのですが。っと、直後に続く crowd control とは? このパラグラフ前後の文脈はながーいのですが、文末の追記としてこんなテキストが。

A non-lethal crowd control package fielded to 1st Brigade Combat Team, 3rd Infantry Division, described in the original version of this story, is intended for use on deployments to the war zone, not in the U.S., as previously stated.

crowd control package は war zone でうんぬんかんぬん、not in the U.S. だ、としています。

まあ全文をどう読むかを置くとしても、そもそも Army Times は「国防総省傘下」ではなく、USA Today などを抱える民間メディア大手のガネット社(Gannett Company)傘下の週刊紙なんですよね。つまり同紙がいくら個々の軍人の発言を拾っていたとしても、国防総省や軍が help with civil unrest とアナウンスしているわけじゃないんです。

ついでにいっておくと、2006年11月4日(土)には Army Times、姉妹紙の Navy Times、Air Force Times 、Marine Corps Times(すべてガネット系)がそろって当時の国防長官ラムズフェルドの退陣を要求する社説をウェッブ版としてポストしたんですが(なぜか今では Arny Times では当該記事が cannot be found で、トホホなことに WebArchives では Blocked Site Error、でも3日には他紙にアドバンスとして出回ってセンセーションを起こしたものが残っています)、「国防総省傘下」だったらクーデタ状況にない限り、そんな社説掲載できないと思うのですが。ペーパー版は6日(月)掲載。と思ったら田中さん、同じこと報じるのに「米軍系の新聞「アーミータイムス」が」としていました :)

なぜこのタイミングで北方軍を増強するのかという疑問がわくのは分かりますが、そんな今さら騒がなくても、そもそも軍隊って治安維持装置じゃないですか? ってぶっちゃけたらダメか。でも古今東西そうですよね、「危機」(誰にとっての危機が問題なんですが)になれば軍隊がでばってくるもんです。民間紙を国営部門傘下にでっちあげなくても、そのことは歴史が示すとおりだと思います。

話を戻しますが、実際に米帝にデフォルトされると困っちゃうのは米国債を買い支えてきた幾つかの中東産油国、ロシア、中国、日本ってことになるのでしょう。もっともやばいのは米国債を売ろうにも軍事占領されてて動きようがない日本か、という気もしないではないですが、どうするつもりなんだろうなぁ霞ヶ関と日本橋本石町は。米ドルの暴落→デフォルト、絵空事じゃなくなってきてるというのに一蓮托生を選んだら、それこそ日本で「暴動鎮圧」が必要になるかも? 米軍様が駐留しているので問題なしですか。

ヨタはともかく、北米国家破綻のシナリオについては、欧州ではナショナリスティックに読みが出ています。世界的な金融システムの破綻への道を的確に予測してきた(的中率5割?)と、2ch経済板の一部の皆さんに人気の Europe 2020(LEAP/E2020)は、『グローバル・ヨーロッパ予測報(GEAB)』 第28号で「2009年夏のアメリカ合衆国のデフォルト」(the US defaulting in summer 2009)の発生と「新ドル」(new Dollar)の登場を予測。Erope 2020 はフランス・ヨーロッパ万歳路線なので差し引いて見るべきですが(ユーロ過信しすぎとか)、同ビュレティンは米国の「公債・私債の爆発」(the explosion of their public and private debt)をあげており、これは痛いとこ突いてると思います。

米帝の財政赤字は2007年度で7386億3800万ドル(GDP比5.34%)。GDP比(2.8%、現行価格方式)からすればまあだいじょぶだろ? というのがふつーの反応。で、米帝国下の財政規律派で「議会の番犬」と呼ばれる会計検査院(GAO)が打ち出す fiscal exposures という指標(これ何て訳したらいいんでしょうね)では数値はさらに巨額となり、2007年度でおよそ52.7兆ドル(1)。これは「将来の」社会保障費・メディケア給付費用(まとめて implicit exposures と表現されている)などを含めた数値です。この“将来の支出”を負債性引当金(accrued liabilities)(2)として見るなら、確かにキツイかもしれません。それでも崩壊しないのはみんなで信じているから。

世界一の軍事力・経済力があるからといって、国家がいくら借金しても(ドルを刷りまくっても)だいじょーぶ信用しましょう、というのは信仰告白の世界です。なるほど、そもそも資本主義も一つの宗教的アーキテクチャなのだと見れば、それも自然なことなのですよね。国家資本主義も国家共産主義も、どちらも信心が基盤なのですよね。どうせ備えが何もない貧乏人は無宗教のまま頑張るしかないのですけれども。

要するに、世界の趨勢は多極化だ!ってはしゃいでみせることは、それぞれの信心がブロック化されるのだって告白するようなもの。あ、そうか、それじゃあ、信仰に裏付けられた規律(3)によって投機から一定防衛されるイスラーム金融(シャリーア金融)が世界の舞台に躍り出る日も近いってことですね? や、冗談抜きでIMFもイスラーム金融との調整はじめてますし、EUもまたバルセローナ・プロセス/欧州・地中海パートナーシップ(EU諸国と「テロリスト」リビアとの「雪解け」はこのプロセスを見ないと理解できません)~地中海連合を通じてアングロ・サクソン型資本主義が支配する世界からの脱却を進めてきたわけで、イスラーム金融に積極的なマレーシア・シンガポール・中東産油国の経済活動の世界的比重はなお高まるでせう。ラテン・アメリカ世界も部分的に社民主義を選択して反米圏域を形成しつつありますし、多極化かどうかしりませんが、経済ブロック化は進む……のでしょう。

(1)Fiscal Year 2007 Financial Report of the United States Government。その後も前院長ウォーカーが同様の警告を繰り返した。たとえば、Making Tough Budget Choices to Create a Better Future (PDF/TXT)。現院長代行ドダーロも基本路線を継承している模様。
(2)将来の支出を意味する引当金。支出原因が当期以前に発生しているという意味で負債に近い性格を持つものの、将来支出額が不確定なため引当金として見積計上を行うもの。
(3)クルアーンおよびシャリーアでは濡れ手に粟の利潤取得を禁じている。ということでタテマエ上は有利子金融は禁止。ただしストラクチャード・ファイナンスやプロジェクト・ファイナンスなど、利子をとるスキームに相当する仕組みはある。(が、やはり空売りやショートなどの投機的行為はやりにくくなっている)
 cf.
 - Dar al Hannah - イスラム金融ブログ
 - 経済グローバル化とイスラム金融
 - おまけ:あせる日銀(笑) シンポ しかし村上ファンド絡みでミソをつけた福井セソセエに「社会経済の公正・公平性、協同で事業に関わることを重視するイスラムの倫理観」と言われましても……

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