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グローバルな経済危機とG20会合に対するアナキスト‐コミュニスト声明

2008
12-18
グローバルな経済危機とG20会合に対するアナキスト‐コミュニスト声明

1. 現在の危機は資本主義経済に定期的にあらわれる危機の典型である。「過剰生産」──投機とそれに続いて起きる崩壊はこのシステムに固有なものである。(アレクサンドル・ベルクマンたちが指摘したように、資本主義エコノミストが過剰生産と呼ぶものは実際には過小消費であり、資本主義は大多数の人々がその要求を満たそうとするのを妨げ、自身の市場を掘り崩すのである。)

2. 資本主義者や政府が準備するどんな危機への対応も資本主義の枠内にとどまる。それは諸人民階級(the popular classes)にとっては何の解決策にもならない。あらゆる危機の場合がそうであるように、金融資本が膨大な金額で救済される間、労働者と貧しいものたちは支払い続けるのである。この状況は継続するもののようであるが、資本主義の枠内でのチェンジは諸人民階級の問題を解決できない。まして解決策なるものはバラック・オバーマのような個々の政治家に期待することもできない。かかる政治家にできることといえば、せいぜい資本主義者に出口を提供し、そしておそらく労働者階級に幾ばくかのパンくずを投げてよこすくらいのものである。

3. 銀行への緊急支援は、国家が誰の利益に奉仕するのかということだけでなく、自由市場への資本主義のコミットなるものの空虚さを示している。歴史に明らかなとおり、資本主義者はかれらの利益に適うときに市場を支持し、必要なときに国家の規制と資金注入を受けいれる。資本主義は国家の支援なしに絶対に存立できないのである。

4. 合衆国、連合王国、その他どこででも、緊急支援は資本への全的支援により、立ち往生した金融機関の国有化というかたちをとった。これは資本主義者が国家所有に何ら原理上の問題を持たないということ、そして国有化は社会主義とは無関係であるということを示している。それは労働者階級を締め上げる一つの方法でもありうる。だから国家ではないわれわれ自身こそが、経済管理を掌握する必要があるのだ。

5. 新自由主義下の資本のグローバル化ゆえに、対応がグローバルなものでなければならないと支配階級は認めている。G20が危機について討議するために11月15日から会合を持つ。これは示唆的である。合衆国、ヨーロッパ、日本の支配者は自分たちだけでは危機に対応できず、互いの力だけでなく他の力、とりわけ(工業生産のトップに躍り出て、世界第3位の経済へと向いつつある)中国を必要とすることを自覚している。インド、ブラジル、他の「新興国」の経済が議席につく。これは、もはやG8のみが世界経済の意志決定者ではないという、ここ数年の議論をもとにした表徴を読み取ったものであるかもしれない。それはグローバルな経済システム運営の変動を予兆するものとなりそうである。

6. われわれは新しい資本主義者権力への包含になんの希望も見出さない。中国の支配者たちは社会主義者であると自称するであろうし、たとえばブラジルのルラや南アフリカのモトランテのような他の人々が、折りにふれ自らを貧者のチャンピオンとして表象するであろう。しかし実際にはその全員が資本主義の防衛者であり、かれら自身の国における人々を搾取し抑圧する者であり、他国の人々にとってのますます増加する帝国主義者ないし半帝国主義者である。

7. 危機がグローバルな諸人民階級の完敗以外の何か、貧困、搾取、戦争に帰着させられるのなら、諸人民階級は動かなければならない。われわれは、資本主義者ではなくわれわれのための支援措置こそ要求しなければならない。われわれアナキスト‐コミュニストは、サププライム・モーゲイジで家を得た人々──支援されるべき、自分の家を維持すべき人々のために闘わなければならない。われわれは、よりましな賃金、より短い労働時間、居住、諸サービス、医療サービス、教育と福祉、環境保護のための闘いに参加・支援し続ける。われわれは帝国主義戦争とわれわれの階級とその闘争への弾圧を終わらせるために闘う。

8. われわれはG20会合への対応としてこれらの要求を突きつけ、将来にわたってそうし続ける。これらの要求を通じ、また要求を実現させるための直接行動を通じ、資本主義と国家、そしてそれらがつくりだした危機に終止符を打つことが可能な、諸人民階級のグローバルな運動の構築に向け尽力する。

Alternative Libertaire (France)
Federazione dei Comunisti Anarchici (Italy)
Melbourne Anarchist Communist Group (Australia)
Zabalaza Anarchist Communist Front (South Africa)
Federação Anarquista do Rio de Janeiro (Brazil)
Common Cause (Ontario, Canada)
Unión Socialista Libertaria (Peru)
Union Communiste Libertaire (Quebec, Canada)
Liberty & Solidarity (UK)
Asociación Obrera de Canarias/Ēššer Ămăhlan n Təkanaren (Africa)
Anarchistische Föderation Berlin (Germany)

anarkismo.net 掲載・英語版


[訳註]
つ、つまんない声明……

訳しといてイヤほんとスンマセンて感じですが、声明はいかにも最大公約数的な公式見解ってやつで、内容に見るべきものはないというのが個人的感想。危機の分析は最初に古典的見解をちらっと示すだけで踏み込んだ内容はないし、全体として「われわれは頑張ります」という所信表明にすぎないという。

連名してるメンツをみるといわゆるプラットフォーミスト(綱領主義者)も含まれてるんでホウホウと読まずに訳しはじめたのが運のつき、途中でアレレと思いましたが、貧乏性で最後まで。

一点、ほんとの註。「表徴を読み取ったものであるかもしれない」とあるのは This may mark a recognition にあてたものです。mark recognition といえばレジの読み取り機械なんかを思い起こせばいいのかな。光学式でピッと認識しまーす、という。

(追記)もう一点補足します。「アナキスト‐コミュニスト」っていうのは「アナキストが主張するコミュニズムを採用する人々」というくらいでしょうか。「アナルコ・コミュニズム」といわないあたりが、その主観的には強固な主体性をあらわしているのかもしれません。バクーニンはコレクティヴィズム(これは「集産主義」と訳されてきましたが、江口幹はゲランの『現代のアナキズム』を訳出するにあたって「共有主義」としています)を主張しましたが、クロポトキンはさらにコミュニズムを唱えました。それは「労働に応じてとる」から「必要に応じてとる」へ、とする理想の転換でした。

例によって訳の品質無保証ってことで。

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