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コーポラティズムから自律的労働者運動へ

2008
12-19
連合が春闘でベアアップを要求するという話題がマスメディアにのせられるにしたがい、待ってましたとばかりに「正規雇用の組織労働者への恨み節」がそこかしこで登場しつつあるようだ。これは経団連にとっても都合のよい「輿論」(よろん)に転化しうるだろう。

もちろん、おおくの人が不況にあえぎ、「非正規雇用」のなかまたちが大量に解雇されつつあるこのタイミングで春闘の話をするとなれば、連合主流派の行き方を見て「所詮、正社員の利益確保のみ」という感想が出てくるのはやむをえないという気もする。しかしだれに頼まれたわけでもない「労働者間のルサンチマン」を代弁する批評がいくらくりかえされても、それはあくまで外在的なものにとどまる。むしろそのような批評はまた批評するものの立場をも糾問することになる。すなわち、「そういうお前はどこにいてなにをやっているのか」という問いである。この問いのまえには、もちろん私もたたされる。

金融資本主義のギマンがもたらした世界的な同時不況のもとで、それぞれの持ち場での苦闘が存在する。そしてそれはいまにはじまったことではない。またたたかいの場はたんに「正規雇用」の組織労働者のものにかぎらない。ひとりでも加入できる地域合同労組のたたかいはもとより、労働組合によらずに個人で使用者(経営者)の不正・不当を追及する人々のたたかいもある。そうした「個別労使紛争」は裁判闘争へと集約されていくが、裁判以前のものとしての日夜のたたかいもとうぜんのようにある。官民とわず稼働貧困者(いわゆる「ワーキングプア」)が大量にうみだされているこんにち、従来の労働組合運動と、そして寄せ場の労働運動・野宿労働者運動や「主婦パート」などの「個的」にして恊働性をもつ闘争(1)などの労組運動主流の枠外にあるたたかいは、たとえ「見えないもの」であってもなおいっそう確実に存在しているのである。

生きぬくための苦闘のなかからは、不可避のものとして「御用組合」批判もでてくるだろう。2005年の連合の会長選挙に際し、全国ユニオン(合同労組の連合体)の候補者は「未組織労働者の組織化」「非典型労働者の組織化」──「非典型」はいまでいう「非正規」にあたる──をおしだした2001年の「ニュー連合」路線を現実のものとするよううったえた。とくに「非正規労働者」に軸をすえた運動と、「均等待遇化」路線のなおいっそうの推進をうったえる主張(2)は、「正規雇用」の立場には耳がいたいものであったはずだが、それでもいっていの共感をもってむかえられた。会長選挙は名だたる大組織であるゼンセン同盟の候補者(303票)の勝利におわったが、ゼンセンにくらべてはるかに小さな組織である全国ユニオンの候補(107票)はおおかたの予想をうわまわって健闘したのである。これは政労使コーポラティズム、つまり総体としての労使協調路線に対する批判票が結集したものともとらえられる事態だっただろう。

このように日本の「組織労働者」の代表的存在である連合のなかにおいてさえ、「非正規雇用」の労働者の自己組織化としての表現である「たたかう合同労組」の潮流が存在し、健闘しているのである。このことはもっと知られてもよい。全国ユニオン系の合同労組に結集する人々、あるいは他潮流の合同労組に結集する人々は、でしゃばるほどには自らを語ることがないように見える。しかし近年の派遣ユニオンの派遣企業に対するたたかい、「名ばかり管理職」問題を追及する東京管理職ユニオンのたたかい、過労死問題などにも必然的にとりくんできた全国一般東部労組のたたかい、NOVA倒産問題などで語学学校教員をささえてきた全国一般なんぶ(東京)ゼネラルユニオン(大阪)のたたかい、「外国人研修生の虐使」問題に立ち向かってきた全統一労組のたたかい、あるいは労働問題を生存問題として直結させようとする「フリーターユニオン」(3)の地をはうようなたたかい、数え上げればきりがないけれども、守勢にたたされながらもみずから立ち上がるなかに新たなみちすじを見出そうとする動きが全国各地で顕在化しつつある。従来組織されてこなかった、自己組織化してこなかった人々のあらたな決起は、労組ナショナルセンター・連合体の別をとわず、さまざまな場において合同労組が続々と結成されていく動きにも表現されている。ともすればわすれられがちな中小零細企業の労働者のためにたたかうという合同労組の歴史はふるく、ひもとけばそれは戦前からのものであることを人は知るだろう。そうしてこの「ひとりでも加入できる」合同労組の「自力自闘」は戦後なんどもの高揚を経験してきたが、分断されたままの労働者の最後の「孤塁」としていままたその姿を劃然(かくぜん=ハッキリ)とあらわしつつあるのである。

「正規雇用」と「非正規雇用」とのあいだに存在する現実の矛盾・亀裂はふかい。しかし労働現場の矛盾に直面してなやみくるしみつつも、しかしあくまで「均等待遇」「同一労働同一賃金」のスローガンのもとに、なおその矛盾をのりこえようとたたかうひとびとがいる。たとえそれが不当な攻撃にたいするせいいっぱいのやり返しにすぎないとしても、私はこうした動きにこそ希望をみる。安全圏からの、あるいはみずからの姿をかくしたままのひとごとのような批評は、批評それじたいとしては大状況を理解しようとするうえで参考になることはあっても、「現場」の苦闘にはほとんど役にたたないだろう。いま・ここにある使用者(経営者)の不当労働行為にたいして、すぐにでもとりくむべきたたかいの準備に合同労組のなかまたちは東奔西走している。ときおりマスメディアにとりあげられるような「絵になる」たたかいは氷山の一角にすぎない。首切りに対決し、賃金未払いをゆるさず、あるいはそもそもアルバイト・パート・派遣・契約などのどんな労働者も労働者なのだと声をあげ、孤立の状況を緩和すべく「団結」の場を確保・拡充しようとする営々たる人々の努力に、合同労組に加入しながら何もしない私は頭をたれる。

いうまでもなく以前にもましてきびしい年の瀬だ。各地の越年のたたかいへ!(4)

(1)たとえば、パート・未組織労働者連絡会は労働基準法を武器に裁判闘争をたたかい、成果をのこしている。その一つの報告として「[労働権の確立をめざし JRAと裁判し勝訴]山口静子」がある。こうした「個的」なたたかいの一つをとってみても、ひとはたたかってはじめて状況をきりひらく端緒をつかむことができるのだということが明確に示されている。

(2)ゼンセン同盟・高木剛候補の対立候補者となった全国コミュニティ・ユニオン連合会の鴨桃代は、「連合改革への私の決意」で次のようにのべている。こんにちやかましくいわれる「逆均等待遇」への視座は、鴨にはこの時点で(あるいはそれ以前から)すでに内在していたといえよう。
連合が結成された1989年当時、パートは連合組合員と同じく約800万人でした。そして現在、連合組合員は700万人弱。それに対してパートは1200万人です。つまり、連合は、いまだに正社員中心の組織を脱することができず、いまの雇用・就労形態の変化に立ち遅れている実態にあります。

連合は、2001年の大会において「ニュー連合」方針を提起し、「未組織労働者の組織化」「非典型労働者の組織化」を強くアピールしてきました。さらに、連合評価委員会も強くそのことを指摘しています。しかし、連合全体としての取り組みはまだまだ不十分だと思っています。

いま求められているのは、連合組合員数を上回る非正規労働者をもっと本気で仲間に加え、「均等待遇」の立法化や「理由のない有期雇用」への規制などに総力をあげて取り組むことです。非正規労働者の声を反映し目線にたった運動を提起する、直面 している問題を一緒にたたかうことです。連合が、もっとも労働組合を必要としている人たちの拠り所になることです。

また、この仕事は正社員でなければならない(できない)ということではなくなってきています。企業によっては、正社員賃金を非正社員賃金に合わせる、「逆均等待遇」を始めているところもあります。均等待遇は正規、非正規問わず、全労働者の課題としての取り組みが求められています。

私は、この間、連合が笹森会長を先頭に推進してきた「非正規雇用労働者の組織化」「均等待遇立法化」をさらに推進していきたいと思います。それが、今回の会長選に立候補した第一の理由です。

(3)「フリーター」を名称にふくむものとしては、フリーター全般労組(Precariat Union、東京)フリーターユニオン福岡、フリーター労組仙台がある。またユニオンぼちぼち(関西非正規等労働組合)なども同種の労組群に数えられよう。

(4)各地の情報・相談窓口については「08-09 各地の越冬・越年行動スケジュール」(ubiqueerまとめ)を参照のこと。

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